●ハンドル名:physicien
●質問内容: 今回の質問は画面の例題40(PDFでは例題42)についてです。この問題で荷電粒子が磁場に垂直な平面内で等速円運動し、磁場方向に等加速度運動することはわかるのですが、これらを合成するとこの荷電粒子はxyz空間で実際どのような「らせん運動」をするのでしょうか。3次元でイメージしづらいので教えてください。
●講義への感想講義への感想
先日応用編をすべて受講し終えました。最も印象に残ったのは二体問題に対する重心運動・相対運動に着目した解法です。この解法を学んだことで二体問題を解くことが楽しくなりました。160選のほうはまだあまり手をつけていないのですが、これから応用編の復習もかねて取り組みます。
(回答)
まず、y軸を「紙面を表から裏へ貫く向き」に取ります。
荷電粒子は、x−y平面内で、中心(0,r)、半径rの円運動をしています。
そこで、中心軸が(x,y,0)=(0,r,0)を通り、x軸に平行な円筒を考えます。
円筒の半径はrです。
荷電粒子はこの円筒に巻きつくようならせん運動をします。
電場がかかっていない場合は、円筒の中心軸方向に対して等速運動(または静止)ですが、
電場が中心軸に平行な向きにかかっているときは、この向きに等加速度運動になりますので、らせんの間隔(ピッチ)が一定ではなくなります。
加速しているときはピッチがどんどん広くなり、減速しているときは狭くなります。
今の場合は、中心軸に平行な向きの初速度が0で、加速度運動しますので、ピッチが
時間と共にどんどん広くなっていきます。
x方向の運動は、加速度をaとすると、
x=1/2at^2
となり、円運動の周期Tは一定ですから、t=nTごとにx軸と交わります。
よって、
x=1/2aT^2 ・n^2
となり、nの2次関数で、ピッチが広くなっていきます。
直感的には、巨大な透明フィルムと、長ーーい海苔の缶を用意して、
透明フィルムに2次曲線y=x^2(x>0)を描きます。
y軸が海苔の缶の中心軸に平行になるようにして、透明フィルムを海苔の缶に巻いていきます。
そうするとx軸(演習方向)に対して、y軸(円筒方向)が2次関数になっているような
らせんを作ることができます。
いかがでしょうか?