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滑り出さない条件の等号について

 ハンドル名 skoba
 質問内容
  こんにちは。いつもお世話になっています。
 静止摩擦力について質問があります。
  よろしくお願いします。

(1) まさつ力 9:06頃
  静止条件 R≦μΝについて、次のように考えてよろしいでしょうか。
  @R=μΝ 静止している。
  AR>μΝになると動き出す。
  B動摩擦力はR>μΝの瞬間からと、考えてよい。
 
(2) 練習2(2)について 25:11頃
  静止条件R≦μΝより
  mgsinθ≦μmgcosθ
 ∴tanθ≦μの関係で、「θ=30°のときにすべった」から、
  等号が成立したという説明でしたが、次の2点に疑問が残りました。
 
 @tanθ=μの等号が成立したと考えてよいでしょうか。
 A等号が成立した考え方がよく分かりませんでした。
 
(3)練習3 Bについて  32:54頃
 「Fがいくらのとき動き出すか?」の答えについてです。

  F≦√2μmg/1+μ でしたが、

 「Fがいくらのとき動き出すか?」なので、
 F>√2μmg/1+μ と表さないのでしょうか。
 それとも、
 F≦√2μmg/1+μの式で、すべてを表し、
 「Fがいくらのとき動き出すか?」の答えの式として、Fとの関係を
 読み取るようになっているのでしょうか。

  以上、よろしくお願いします。
 
 微積で楽しく高校物理、基本編とも、楽しく受講しています。
4月末までには、力学を終了したいと思ってます。


(1)については、skobaさんの考えで、まったく正しいです。 (2)について

厳密な表現をすると、「θ=30°を越えた瞬間に滑った」という言い方になります。ただ、実際のもんだいなどでは、「θ=30°のときにすべった」という表現をすることも多いです。

たとえば、有効数字2桁くらいの測定をしているとして、
θ=30°のときはすべらないが、θ=30.0000000000000000000000001になるとすべるという場合、「θ=30°のときにすべった」といっても許される気がします。数学的に考えると、確かにおかしいのですが。

(3)も等号成立についての疑問だと思います。

Fがいくらのときに動き出すか?問われれば、最大静止摩擦力の時は、静止ですので困るわけなんです。ただ、実際に力の大きさを測定しながら実験していることを考えると、限りなくゆっくりと力の大きさを増加させていく場合、最大静止摩擦力の値を無限小だけ越えたときに滑り出します。

その状況を思い浮かべた後、「Fがいくらのときに滑り出すか?」といわれれば、計器の目盛りを見て、最大静止摩擦力の値を答えることになります。

物理のこのあたりの「いい加減さ」は、数学とだいぶ違うところです。

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