電気分野に入って、急にわかりにくくなった、
という人はいませんか。
電機分野を理解したい。
その前に、まず、理解するということについて
考えて見ましょう。
僕は、次のようなものだと思っています。
「現象を決定している「ツボ」がどこなのかを明らかにし、その「ツボ」を
おさえ、現象全体がよく見渡せるようにすること」
現象のタイプによって、「ツボ」がどのようなものになるのかは変わってきます。
電気分野の難しさは、これまでやってきた「力学」と、「ツボ」の位置が違う点に
あります。
力学現象と電気現象の違いをあげてみましょう。
力学現象:1つや2つの物体が、力を受けながら運動する。
電気現象:多数の電荷が、いっせいに移動する。
力学の場合は、物体の位置、速度、加速度に注目し、それらを使って運動を記述する
というやり方が、適していました。
ところが、電気現象の場合は、動き回る電荷の数が多数なので、同じやり方では
うまくいきません。電気現象に適した、違うやり方が必要なのです。
では、どのようなやり方だとうまくいくでしょうか?
電気現象の例である電流は、水の流れによくたとえられます。
山に雨が降ったときに、川がどのように流れるのかを考えるとき、皆さんは、
水分子には着目しませんよね。
地形を見るはずです。
たくさんのものが同時に動き回るときには、
その物体にとっての「地形」をイメージし、
「地形」から物体の流れや分布を理解するというやり方が
適しているのです。
電荷にとっての地形を表す量が、「電場と電位」です。だから、電場と電位が、電気を学ぶ上でのカギになってくるのです。