「高校物理」が全く分かりません。
でも、もう一つの「物理」には感動しました。
こんにちは。予備校講師の田原真人です。
予備校で物理を教えるようになって9年目になります。
受験生に物理を教え始めた頃は、とても苦労しました。
というのは、大学や大学院で物理を学んだ経験を通して、僕が抱いてきた
「物理ってこんなものだよなー」
というイメージと、受験生が抱いている物理のイメージがあまりにかけ離れていたからです。
そして、物理に対して完全に誤解しているのにも関わらす、
「物理っていうのは、〇〇から嫌いだ!」
なんて言われてしまったときには、とてもやりきれない気持ちで一杯になりました。
〇〇には、
●公式を暗記しなければならない
●公式を適当に当てはめる
●計算が多い
●難しい
●面白くない
などが入ります。
物理を苦手な人は、このうちのいくつかが当てはまるのではないでしょうか?
でも、それに対して、僕が物理に対して抱いているイメージは、
●公式は暗記しない
●全て原理から導いて解く
●計算するより、規則を見抜く
●難しくない
●面白い、楽しい、感動する!
というものなのです。
正反対といってもいいですね。
では、どうして、こんなにも抱いているイメージが違うのでしょうか?
それは、僕がイメージしている物理と、多くの受験生が学んでいる物理は、同じ「物理」という言葉を使っていても、「別のもの」だからです。
多くの受験生が学んでいる物理は、文部省の教科書に沿った「高校物理」です。
物理に関わる仕事をしている僕から見ると、「高校物理」はひどいです。
物理の根本の考え方を破壊してしまっています。
そして、バラバラに砕け散った物理の残骸を寄せ集めて、公式として暗記させています。
そんなものを暗記しても面白いわけがありません。
受験生が、上に書いてあるような感想をいだくのは当然です。
これまで、どれだけ多くの受験生が、物理の本当の姿に触れることなく、
「物理なんて嫌いだ!」
という言葉を発してきたのかと思うと、残念でなりません。
もしかしたら、その中には、「本当の姿」に接しさえすれば物理の面白さや、巧妙さなどに気づき、全く違った方向へ進んだかもしれない人もいたことでしょう。
では、なぜ「高校物理」は、そんなにもひどいものになってしまっているのでしょうか?
その原因の1つは、
微積分を使わないこと
にあると思います。公式と呼ばれる数式のほとんどは、原理から微積分を用いた式変形によって導かれたものです。
ですから、微積分を使わなければ、導出のほとんどを省略することになるため、どこからどのようにして登場したのかが分からない式を、「公式」として、暗記することになるのです。
そして、最も重大なことはは、法則体系をバラバラにしてしまったために、
「なぜ、自然が、物理によって理解できるのか」
ということが、見えなくなってしまったことなのです。
これが、物理の一番の魅力なのです。
ところが、その一番の魅力は、奪われてしまっているのです。
本来、とても面白くて、楽しくて、美しい物理の、両方の翼をもいで、似ても似つかぬものにしてしまってから、「これが物理です」といって教えているのが「高校物理」です。
そんなつまらないものは、僕だってキライです。
物理は、自然界の仕組みを明らかにしてくものです。
そこには、見事な体系が存在していて、その体系のおかげで、自然が理解可能であるという事実に感動するのです。
人間が自然を理解するための道具として、物理をどのようにして作ってきたのかは、サンプル講義で熱くしゃべっています。
これは、僕が、4月の授業のはじめに話すものです。
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●:僕が4月にする話
「高校物理」の罪深さは、本来、物理を好きになるような人ほど、「高校物理」をキライになってしまうところです。
物理を好きになるような人は、ものの仕組みに深い興味を抱く人です。
一見、全く別のものに見えるようなものが、実は、その根底には、共通の原理が横たわっていて、実は同じものなんだ!と言われたりすると、ワクワクするような人です。
この文章をここまで読んでくださっているあなたも、そうではありませんか?
ところが、「高校物理」は、「ほんらい同じもの」を、「別のもの」として暗記させるのです。
ものの仕組みに興味を抱く人にとって、意味の無い式の羅列を暗記するような作業は、苦痛そのものです。
それを強いる「高校物理」を嫌いになってしまうのは当然のことです。
こうして、本来、物理とハッピーな形で結びつくはずだった人が、そうならずに、高校時代を終えるのです。
もし、あなたが受験生で、物理が苦手で、キライでも、それはあなたのせいではありません。きっと、物理の姿が正しく伝わっていないのです。
正しく伝わりさえすれば、物理が好きになるかもしれません。
好きになれば、できるようになるのなんて簡単です。
もし、あなたが大学生で、物理に苦手意識を抱いたまま大学へ入学したとしても、それは、あなたのせいではありません。
「高校物理」は、分かるようにできていないのです。
分かることをあきらめて、問題の解法を暗記した人が得点できるようになっているのです。
もし、あなたが社会人で、物理をまったく学んだことが無く、これから、学んでみようと思っているとしたら、高校の教科書を読んで勉強するのは止めましょう。
あなたは、物理の面白さを知ることなく、物理の姿を誤解したまま、物理の前から立ち去ることになってしまいます。
受験生のあなたにも、大学生のあなたにも、社会人のあなたにも、物理の本当の面白さを知ってもらいたいと、僕は、強く願っています。
まずは、無料講義を受けてみてください。
きっと、僕の言っていることが分かってもらえるはずです。
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